インフルエンザ

週に1本 はたちの私

TwilightCity/SEKAI NO OWARI

   彼らはもう、ロックスターではない。エンタテイメントだ。

   バラードも含めてほぼ全ての曲で、手拍子が起こる。はっきり言って曲が十分に聴こえない。(曲を聴きたい私にしては迷惑だが)でもそれでいいのだろう。彼らの音楽に合わせてリズムを取り、歌を歌う。腕につけたライトは、曲に合わせてピカピカ光る。私はここにいると主張する8万の小さな光がライブの一つとなる。その場にいることに価値があるのだろう。仮想世界が中心となりつつあるこの世界で、実体験が大事にされることはなんとも面白い。 
    デビュー前の楽曲で「ポップでキュートなセカオワメロディー」なんて歌っている。最初は変わった名前のピエロがいるポップでキュートなロックバンド、として頭角を現したが、枠なんてどうでもいい。正義や愛と悪、戦争と平和を歌っているだけだ。ロックからファンタジー、そして新曲SOSでは賛美歌まで歌い上げる。fukaseのハイトーンボイスとsaoriの麗しきピアノに惚れ惚れする。ああ、もう天国かここは。
   CDが売れない、音楽業界はもうダメだ、なんて言われて何年も経っている。しかし、これだけの人数が音楽を聴き、ライブに訪れ拳を上げる。まだまだ音楽は美しく、人々の心に触れる。
 
(2015.10.9)